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『地域も元気!世界も元気!』 団体活動インタビュー

豊島区清掃環境部資源循環課

第12回目のインタビューは、豊島区です。

<お話をうかがった方>

豊島区清掃環境部 資源循環課 リサイクル推進係

行田 知章さん(写真右)、小杉 直人さん(写真左)

豊島区清掃環境部資源循環課d

今回は、豊島区が公益財団法人 ジョイセフと一緒に行っているリサイクルノート事業についてお話を伺いました。

印刷業が盛んな豊島区ならではの国際貢献は

豊島区は印刷業が盛んで、印刷業界から発生する大量の残紙は紙ごみの中で大きな比重をしめています。そこで資源の有効活用を図るため、印刷工程で発生する残紙でリサイクルノートを作成し、海外の開発途上国へ寄贈するという活動を行っています。海外贈与は平成5年にスタートしましたが、これまでに70万冊以上、のべ201カ国に送られています。

豊島区清掃環境部資源循環課d

ノートを受け取った子どもたち

この事業は、豊島区印刷関連産業団体協議会、公益財団法人ジョイセフ(国際協力NGO)と連携して行っています。豊島区印刷関連産業団体協議会が残紙のストック、印刷、リサイクルノートの製本を行い、その費用の一部を豊島区も負担しています。その後、リサイクルノートは寄贈窓口であるジョイセフに送られ、ジョイセフの活動地である途上国へ届けられます。豊島区はその両者の間にはいり、調整をおこなっています。

再生自転車の海外贈与事業ともうまく連動している

もともと、印刷関連産業団体協議会はリサイクルノートをつくって国内の小中学校へ配っていたそうです。しばらくすると「海外にも送ろう」という声があがり、平成5年から海外への贈与を始めました。豊島区では、以前から駅前などに放置された引取り手のない自転車を再生し、海外に贈る「再生自転車の海外譲与事業」を行っていました。既にこの事業において海外のネットワークを持っているジョイセフと連携していたので、リサイクルノートの海外贈与の話がでたときも、その関係を活かしてスムーズにスタートすることができました。

実は、再生自転車の海外譲与事業の中でも、「自転車をコンテナに積んだとき、どうしても隙間ができてしまいもったいない。その隙間をどうにかうまく埋められないか。」という声があったそうです。その隙間にリサイクルノートを積むことで、うまく無駄をなくすことができました。この両事業は、お互いにメリットがあり、うまく連動しています。

リサイクルノートを、いろんな方に使っていただく工夫

海外へ送られているリサイクルノートには、マス目がありません。自由に何でも書けるように白紙の状態にしています。途上国の子どもたちは、この真っ白なノートに一生懸命小さい字で文字を書き、隅々まで使うそうです。また、このノートは、子どもたちだけではなく医者がカルテ作りにも使用したり、保健ボランティアの方が活動するときにも記録代わりに使ったりもしているとジョイセフの担当者より伺っています。

豊島区清掃環境部資源循環課   豊島区清掃環境部資源循環課

途上国へ送られているリサイクルノート。

表紙には、「Toshima」と記載され、中はマス目が無く白紙です。

これからの課題は…

連携先のNGOであるジョイセフは、事業の報告などもしっかりとしてくださるので、信頼も出来ますし、とてもいい関係を築けていると思います。

この事業におけるこれからの課題をあえていいますと、今後この事業をどのように維持していくのか、という点でしょうか。もちろん、この事業は利益を出すために行っている事業ではありません。今は不景気の影響などもあり、リサイクルノートの製本などを行っている印刷関連産業団体協議会にとって、この事業を続けていくのは大変だと思います。しかし、協議会の方も理解があり、純粋な国際貢献として続けてくださっています。

喜びの声をきちんと伝えること

そのような状況において、配慮している点としては、連携先のNGOであるジョイセフ、また途上国の人々がいかに喜んでいるのかということを、きちんと印刷関連産業団体協議会にも伝えることですね

正直なところ、ジョイセフの方にお話を聞くまでは、我々も印刷関連産業団体協議会の方も「ノートを送ることで、現地の人々に喜んでもらえているのか」ということがなかなか実感できませんでした。私が小さい頃の日本であれば、ノートと鉛筆をもらうありがたみというものが実感できると思いますが、今の日本の生活スタイルでは、ノート一冊のありがたみや海外で大変な状況にある人たちがいることも実感しづらいかと思います。

豊島区清掃環境部資源循環課

その点、ジョイセフの方はしっかりと現場での様子を伝えてくださいます。例えば、区では毎年リサイクルノートの贈与式を行っているのですが、その場に現地で活動をしている担当者を連れてきてくださり、届けた途上国での様子などをいろいろと教えてくださいます。そのような話を聞くと、「私たちも世界とつながっている。私たちの活動で喜んでくれる人たちがいる」という実感を得ることができます。

このような感覚を得ることができるのは、この事業における非常にいい点であり、われわれにとっても、印刷関連産業団体協議会にとっても、今後この事業を継続していく大きなモチベーションにもなっていくと思います。

<インタビューを終えて>

豊島区のリサイクルノートは、再生自転車をコンテナに積んだ時にできる隙間をうまく使って海外に送られていますが、実はコンテナの隙間をうめているのはノートだけではないそうです。なんと、荒川区からも鉛筆が寄贈され、コンテナの隙間に入れてノートと一緒に送られているとのこと!しかし、いくら無駄なく効率的に行われているとはいえ、景気があまり良くない状況の中で事業を続けていくことは大変だと思います。このような事業を継続させるためにも、われわれNGOはしっかりと現場の声を届けることが大切だと改めて感じました。

<インタビュアー>

市民国際プラザ(JANICより派遣)
田月 千尋

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