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『地域も元気!世界も元気!』 団体活動インタビュー

愛知県国際交流協会 インタビュー

 

今回のインタビューは、愛知県国際交流協会です

<お話をうかがった方>
愛知県国際交流センター 交流共生課長 栗木梨衣さん(右上)

   

 

愛知県国際交流協会のスタッフのみなさんと一緒に

 

 

今回は、愛知県国際交流協会事業推進計画「あいあいプラン」を中心にお話を伺いました。

 

愛知県国際交流協会事業推進計画「あいあいプラン」

愛知県国際交流協会は、平成26年度から平成30年度までの5年間、当協会が取り組んでいく施策を示すものとして事業推進計画「あいあいプラン」を平成25年度に策定しました。この「あいあいプラン」は、当協会の職員がワークショップや議論を重ねながら事業を見直し、県内における国際化・多文化共生社会の実現に向けて、計画的、継続的な取り組みを進めていく内容になっています。

 

愛知県を取りまく国際化の情勢の変化

愛知県は、外国人住民数が全国でも3番目に多く、特にブラジル人が多い県です。しかし、最近は変化がみられています。特にブラジル人の数が減少し、その一方で中国人やフィリピン人などのアジア圏の出身者が増加しています。また、日本生まれのブラジル系の人が増加しています。
また、日本語教室の学習者は、ブラジル人はあまり見られなくなったという実感があります。日本語教室に行かなくても言葉に困ることがなく日常生活を送ることができるため、仕事に関連した日本語を必要としている方が増えていると感じています。

 

 

 出展:「新愛知県国際交流協会事業推進計画 あいあいプラン」より

 

 

愛知県国際交流協会の役割と施策
当協会は、県の広域的な拠点となっています。地域の中核的組織としてコーディネーター的役割を果たすために、4つの施策の柱を設定しています。

≪4つの施策の柱≫
T 国際交流・国際協力活動の推進
U 多文化共生の地域づくりの推進
V 国際化の推進役となる人材の育成
W 国際化に関する調査研究、情報提供

また、コーディネーター的役割をさらに具体的に示すために3つのキーワードを掲げています。状況や対象に合わせ、きめ細かな対応ができるよう目指しています。

≪3つのキーワード≫
高める
つなぐ
創りだす

既に活動をしている団体のスキルをさらに「高めて」いく、そういった活動をしている人同士を「つなげて」いく、新しい人を「創りだして」いくという3つの役割を当協会が果たしていこうと取り組んでいます。

 

 

               訪問したあいち国際プラザの外観と内観

 

 

それぞれの施策の展開 〜国際交流・国際協力活動の推進

「T 国際交流・国際協力活動の推進」は、以前から取り組んでいる事業です。具体的施策として11項目を掲げています。

項目のひとつとして「フェアトレード普及啓発業の実施」をあげているのが特徴になります。
フェアトレードは、一般の方が取り組みやすく、国際交流のきっかけとしてとてもよい事業だと感じています。「国際協力を学ぼう!」というとハードルが高く感じるかもしれませんが、フェアトレードを通してその後ろにある背景である現状を学ぶことができるため、フェアトレードをひとつのツールとして考えています。

 

新しい事業として「想いを形にするマッチング事業の実施(新規)」を掲げています。
学生やボランティア、市民の方々が「こんなことをやりたい!」と、主体的に企画し、関わっていく国際交流・国際協力に関係する活動を、実現できるよう当協会がノウハウや資金面での支援をします。地域の方々が主体的に関わりながらプロセスを学んでもらうことで得るスキルが地域でも活かせるのではないかと考えています。ボランティアの方との会話のなかで「こんなことをやれればいいのに・・・」というお話を伺うなかで、ニーズがあると感じ、この事業を立ち上げました。

 

同じく新しい事業として「NPO/NGOをつなげて広げるネットワーク事業の実施」があります。
国際交流・国際協力・多文化共生分野の団体との連携はある程度とれていますが、福祉や教育、医療分野の団体との連携は課題です。国際交流や国際協力の活動は、まだまだ通訳、翻訳が中心と思われがちなので、まずは私たちの活動や目指しているものを理解してもらうことから始めたいと考えています。防災を考えるときにも、そういった団体との連携が必要と思います。

 

それぞれの施策の展開 〜多文化共生の地域づくりの推進

「U 多文化共生の地域づくりの推進」では、具体的な施策を10項目あげています。

 

先駆的な取り組み 「多文化ソーシャルワーカー」とは

愛知県が全国に先駆けて始めた取り組みとして、多文化ソーシャルワーカーがあります。
多文化ソーシャルワーカーの役割は、言葉だけではなく文化が異なることで生じる物事への理解のしづらさや認識の違いによる問題を関係機関と連携しながら相談者と一緒に解決していくことです。例えば、フィリピンでは、文化的に離婚が難しいということで、書類上は結婚しているように見えても実際は離婚しているというケースがありますが、日本ではなかなか理解してもらえません。そんなときに、フィリピンと日本の両方の文化や制度を理解している多文化ソーシャルワーカーが支援に入り、専門機関等との連携をしながら問題の解決に協力します。平成18年度から多文化ソーシャルワーカーの養成を、平成19年度からは支援を開始し、年間約10〜20件程度の利用があります。この数値は、1件につき半年以上の時間をかけ、じっくりと話を聞き、必要に応じて支援を行っているケースで、窓口での相談を含めれば件数はもっとあります。年々利用が増えている傾向にあると感じていますが、より活用してもらいたいと考えています。

 

外国につながる子どもの支援
「外国につながる子どもたちの日本語学習の支援」では、企業や県民からの寄付によって設置された日本語学習支援基金を活用した子ども向けの日本語教育の支援を行っています。平成20年度から5年間の事業でしたが、継続してほしいという声があって平成27年度まで延長されました。支援を開始した当初より学校側の制度も整ってきたことや、日本生まれの外国につながる子どもが多くなり、日本の子どもたちと同様の教育を受けることができるようになってきて、子どもたちの教育環境は以前に比べてだいぶ充実してきたという印象があります。
しかし、新たな問題として、母語教育やアイデンティティの問題が出てきています。外国につながる子どもたちの親は、日本国籍を持っていても母国にルーツを持っているという思いがあり、子どもたちのアイデンティティをどこにおくか悩んでいる現状のため、当協会でもその部分の支援もしていくべきなのではないかと考えました。
そこで「母語母文化支援事業の実施」という新規の事業を立ち上げました。外国につながる子どもたちを対象に、母語や母国の文化を学ぶ機会を提供するものです。外国人コミュニティやNPO/NGOと連携して、当協会として何ができるのかを考えていこうと思っています。当協会のソーシャルワーカーが実際に外国人コミュニティに入って、現状の理解を深めていくことから始めよう考えています。市町村の国際交流協会とも連携していきますが、当協会がこの事業に取り組む意義としては、国際交流協会がない地域があることや、困っているにも関わらず、声をあげられない人がいるのか、いないのか、というところを把握するためにも当協会が現地へ出向いて行って情報収集を行いたいと考えています。

 

ガーデンづくりから多文化共生へ
「多文化共生コミュニティガーデン事業の実施(国際交流モデル事業)」は、市町村やNPO/NGO、地元自治会と協働しながら地域に暮らす日本人、外国人が主体的にガーデンをつくり、管理・運営を行っている事業です。ガーデンづくりを通して、多文化共生を意識しなくても、自然に誰もが暮らしやすい地域づくりに関わるきっかけになることを目的にしています。実行委員会には、日本人、外国人が参加していますが、外国人参加者を増やしていくことが今後の課題です。平成26年11月にはガーデンでとれた作物の収穫祭を予定しています。現在2年目の事業ですが、最終的にはガーデンの管理・運営を地域に任せ、当協会は側面的な支援をしていきたいと考えています。現在は刈谷市でモデル的に取り組んでいますが、今後、実施して得た経験や課題を他の地域へ伝えて市町村の国際交流協会が取り組む地域づくりの事業として参考にしてもらえればと考えています。

 

 

           

   多文化共生コミュニティガーデンの紹介  8月のワールデン収穫祭には60人以上が集まりました。

 

それぞれの施策の展開 〜国際化の推進役となる人材の育成
「V 国際化の推進役となる人材の育成」は、具体的施策を5項目あげています。
「日本語教室実践講座の開催」は、日本語教室活動をする人材育成のための、日本語教室の開設の支援やボランティアのスキルアップを図る講座を開催するものです。しかし、地域の状況や日本語教室に通う外国人の変化を受けて、これからはボランティアが実施するものと有料の講師が実施するものの役割分担を考えていければと思っています。また、日本語教室は地域の方も関わりやすく、外国人の方にとって拠点になり得るので、必要性があるにもかかわらず日本語教室がない地域には、地域の国際交流協会等と協働で日本語教室の立ち上げに関わることもあります。

 

「国際理解教育担い手育成事業の実施」では、愛知県の特色として愛知万博や生物多様性条約第10回締結国会議(COP10)等、国際的な会議が開催されている歴史があるので、そうした機会を活用し、当協会で国際理解教育教材を作成して教育現場と連携しながら、子どもたちやユースが地域の担い手として活動できるようしかけづくりをしています。


今年度は、「未来を築くユース100人会議」を開催しています。15歳から25歳までの若者が集まり、多様な価値観を持つ人々が安心して暮らせる地球の未来を考えていく会議です。ここから当協会の新規事業である「想いを形にするマッチング事業の実施(新規)」へつなげられるアイデアが出ることも期待しています。

「W 国際化に関する調査研究、情報提供」は、7つの具体的施策を掲げ、インターネットを活用した情報の提供等を行っています。

 

当協会の役割のひとつとして、県内の国際交流協会と連携しつつ、モデルとなる事業に挑戦するということがあると思います。もしかしたらうまくいかないかもしれない事業でも、まずは実践し、そこから得た経験を地域の国際交流協会と共有することができます。成功すれば、モデル事業として地域の参考にしてもらえればと考えています。

 

   

あいち国際プラザの掲示 

今年11月にも愛知・名古屋で国際会議が開催される 

 

 

<インタビューを終えて>

多文化共生、国際交流、国際協力のそれぞれが活発に活動をしながら繋がっていて、愛知県ならではの特徴を感じました。インタビューの最後にあるように、県内での中核的組織として愛知県国際交流協会が心掛けている役割が印象的でした。フェアトレードもガーデンづくりも想いをつなぐマッチング事業も、今まさに進んでいる事業ばかりで、これから先どのように進んでいくかとても楽しみです。


<インタビュアー>
市民国際プラザ(JANICより派遣)
    齋藤斐子

 

 

 

 

 

 

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