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『地域も元気!世界も元気!』 団体活動インタビュー

(公財)国際開発救援財団 <前編>

<お話をうかがったスタッフの方>

(公財)国際開発救援財団

広報啓発担当の古賀 裕美子さん(写真左)、海外事業チーム 前田 桂子さん(写真右)

前田さんからのメッセージ

開発途上国で暮らす人たちと、日本にいる私たちとでは、取り巻く環境に違いはありますが、よりよい明日を願う気持ちは同じだと思います。必ずしも恵まれた環境にはない中で、前向きに日々の暮らしの改善に取り組んでいる人々を一緒に応援してもらえるとうれしいです。

開発途上国において子どもたちが健やかに育つことのできる社会をつくることを目指し、地域の人と一緒になって彼らの生活の向上に取り組んでいる団体が、(公財)国際開発救援財団(Foundation for International Development/Relief:以下FIDR(ファイダー))です。

今回は海外事業担当の前田さんと広報啓発担当の古賀さんにお話を伺いました。

子どもが健やかに育つ環境づくり

FIDRは、山崎製パン株式会社の創業者である飯島藤十郎氏の寄付をもとに、1990年に設立されました。

ミッションは、子どもの未来を育む「チャイルド・ケア」と、「日本企業と日本人による国際協力の推進」です。東南アジアのカンボジアやベトナム、南アジアのネパールなどで、子どもたちが健やかに育つ社会の環境づくりに焦点をあてた活動を行っています。

(公財)国際開発救援財団

FIDRは、開発途上国において子どもたちを取り巻く環境を改善するため、地域の人々との信頼関係を大切にしながら、地域に根ざした活動を行っている。

村人の食と健康を

FIDRが主に活動をしている地域の一つ、カンボジアでは、約8割の人が農村で暮らしていますが、その多くが貧しく厳しい生活環境に置かれています。そこで、FIDRは農村において「食と健康」に焦点をあてたプロジェクトを進めています。

「すごく基本的なことですが、『食べるものが十分にあって、それを食べることによって健康になること』を目指したプロジェクトです。」と現地で活動をされていた前田さんはおっしゃいました。 

プロジェクトを行っている地域では、農業で生計を立ててはいるものの、その収量は十分ではなく、加えて、人々はタンパク質が欠けるなど栄養が偏った食事を摂っています。そのため、栄養不良の子どもが多く、また慢性的な疲労を訴える大人も少なくないそうです。そこでFIDRでは、米の収量を上げる農業技術や野菜作り、鶏や豚などの飼育の技術研修や保健衛生・栄養に関するワークショップなどを実施してきました。このように、現地の状況や人々のニーズに合わせて活動を進めることが、FIDRの特徴なのだと教えていただきました。

(公財)国際開発救援財団

FIDRが支援する新農法の研修の様子。プロジェクト開始当初、知らない農法に半信半疑だった村の人々だが、今では米の収量が増え、新農法は順調に普及している。

現地の人が力をつける

「FIDRが各国で実施しているプロジェクトには、『実際にそこに暮らしている人自身が、知識や技術を身につけて、その力を地域の他の人たちへ広げていくことが大切である』という共通の考えが根底にあります」

「人が変わっていくことによって、地域が変わっていく」、これがFIDRの行っている「地域開発です。例えば、カンボジアで、新しい農業技術を普及する活動を始めるときは、村人の中から中心となる協力者を話し合いで選びます。この話し合いにはかなり時間を要します。」

「新しいことをやるということは非常に勇気のいることです。現地の人にとっては期待だけでなく、不安も大きいもので、誰でも手を挙げるわけではないです。必ずしもうまくいくわけではないというリスクや個々人の努力も必要だということも含め、事前に話し合いを重ねます。様々なことを考えた上で、挑戦してみたいという強い気持ちをもった人を応援するようにしています。」

(公財)国際開発救援財団

村でのワークショップの様子。プロジェクトは、地域住民や政府関係者と一緒に話し合いながら進めていく(写真右 前田さん)。

自信がつく

「このようにして、何人かの村人の方と新しい農業技術を1年ほど試していきます。収量が上がったことは、田んぼを見れば分かります。自分と同じ条件下の隣人がうまくできたということは、とても説得力をもつようです。目で見て初めて、周りの人たちもその技術を受け入れます。」

「やはり、納得しないと新しいものを試すのは怖いですよね。私たちの支援では、彼ら自身でできるようにするために、すでにあるものを活用するようにしています。そのため、彼らは何かモノをもらうわけではありません。だからこそ、自分たちに益があると思わなければ行動にはつながらないのです。」

このように村人の心を動かすのに苦労がある一方で、現地の人々が変わっていくのを見てとることができたときの喜びも教えてくれました。

「挑戦をした村人は、収量が上がったことだけでなく、それを見た周りの村人が色々聞きに来たりすることで、大きな自信となります。そしてもっと周りの人に教えたいという気持ちになります。そうやって人が変わっていくのを目の当たりにします。人から人へ前向きな気持ちや行動が広がっていくことが地域開発の良さのひとつです。」

大切なのは信頼、耳を傾けること

前田さんに、地域や農村の開発を進める上で気をつけていることや大変なことを伺いました。

「まずは人として信頼されることです。人として信頼されないと、言っていることに耳を貸そうという気にはなりません。急に『技術を教えます』というのではなく、初めは色々なことを通じて、まずは互いに分かり合うよう努めています。」

プロセスを大切にするから地域開発は時間がかかるのだそうです。

「以前、プロジェクトの評価をした時に、『FIDRのスタッフは、純粋に自分たちの生活を良くしたいと思ってくれている』と村の人に言ってもらえたことがありました。やはり、そういうものは人に伝わるのだと再認識しました。そうやって信頼されると、新しいことを始める時にも『この人が言うならやってみようかな』、という気持ちになったりしてくれるので、小さな積み重ねで信頼を得ていくことは、プロジェクトを進める上で基礎になっているのかなと思います。」

(公財)国際開発救援財団

ベトナムで伝統織物を活用して収入を向上させ、地域の活性化を目指すプロジェクトの一場面。この活動の主体である村の女性たちひとりひとりの声に、しっかり耳を傾けて活動を進める。

日本の自治体との連携

地域とのつながりについて伺ってみました。

「今まで、FIDRは自治体や地域国際化協会との連携を大きく実施したことはないのですが、ぜひ機会があれば、連携なども検討してみたいと思います。」

<インタビューを終えて>

実際に、現地へ赴き活動をしている人のお話を聞く機会はあまりなかったので、とても興味深かったです。開発というものは、決して一方的に技術を押し付けるのではなく、相手の話に耳を傾け、信頼関係を築いた上でなされなければならないというお話が印象的でした。

(JANICユース 三浦)

カンボジアやベトナムを中心とした東南アジアでの地域開発において、何よりも大切なものは現地の人たちとの信頼関係であるというお話しがとても勉強になりました。

また、貧困で苦しむ人々をただ援助するのではなく、現地の人たちが自立できるような支援を実行する難しさとやりがいがお話しを伺ってよく伝わってきました。このような国際援助の根底にはどの分野においても現地の人たちとの信頼関係があるのだなと感じました。(JANICユース 山内)

<インタビュアー>

国際協力NGOセンター有志グループ(JANICユース)

広報チーム 権 智娜

三浦 陽二郎

山内 智加

続きは後編をご覧ください。

※(特活)国際協力NGOセンター(JANIC) HPのNGOスタッフインタビューで紹介している記事を掲載しています。

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