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『地域も元気!世界も元気!』 団体活動インタビュー

(特活)フレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダーJAPAN <前編>

<お話をうかがったスタッフの方>

(特活)フレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダーJAPAN

事務局スタッフ(ボランティア担当) 渡邊信子さん

渡邊さんからのメッセージ

フレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダー(以下FWAB)はUSAとJAPANの共同事業としてアンコール小児病院(以下:AHC)を設立しました。開院から10年余り、シェムリアップの街に根差し、カンボジアの人々から信頼される病院となりました。現在、300名を超えるカンボジア人スタッフも大きく成長し、将来的には、カンボジア人による自立運営を目指しています。

しかし、カンボジアの人々の生活は未だに厳しく、初診患者の半数近くは初診料1000リエル(約30円)を支払うことができません。AHCを運営していくためには、国境なき友人(フレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダー)のサポートがまだまだ必要です。

どうぞご支援をよろしくお願い致します。

写真家が途上国でNGOをつくる

ニューヨークで写真家として活躍している井津建郎氏は、1993年に古代遺跡撮影のためにカンボジアのアンコール遺跡群を訪問しました。ところが、撮影の目的で行ったものの、シェムリアップで治療費が払えないため亡くなっていく子供たちの惨状に遭遇し、小児病院設立を決意したのだそうです。

彼はまず自らの活動の軸であったニューヨークに、FWABのオフィスを設立し、翌1996年には東京オフィスを開きました。写真家の井津氏にとってはNGO、医療のどちらも未知の領域。大学時代の写真家の仲間や、途上国支援、病院運営、建築など各分野に精通している友人からアドバイスを受け、直接協力してもらうことで、1999年にようやく病院を開院することができたのだと、渡邊さんは話してくれました。

(特活)フレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダーJAPAN

フレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダー、アンコール小児病院創設者の井津 建郎氏

より多くの子供を救うために

こうしてFWABによって設立されたアンコール小児病院。当初は内科・外科のみでしたが、やがて歯科・眼科の開設や24時間態勢の救急救命室の設置と徐々に活動の幅を広げていき、現在は1日平均400人もの患者が病院を訪れています。

FWABでは資金やノウハウが蓄積されていくにつれて、より多くの子供に対応できるよう工夫をしていくことを心がけているのだそうです。

例えば、外来待合室では常に沢山の患者が椅子に座り、暑いなか診察の順番を待っています。こうした患者を効率的に診察していくために、看護師が事前に外来患者の重症度に優先順位をつけ、診察に当たるようにしています。渡邊さんは、「これはカンボジア保健省の推奨するIMCI(小児疾患統合管理システム)をとりいれることでできたシステムです。」と教えてくれました。

(特活)フレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダーJAPAN

IMCIを取り入れた外来待合室(c)Shigemi Iyota

コミュニテイ活動も積極的に

AHCは院外での活動も積極的に行っています。

「カンボジアの人口の8割が暮らす農村部では、保健・衛生習慣が浸透していないため病気になる患者が後を絶ちません。各地域にある、政府が運営する保健センターの職員に対して、助産婦トレーニング、地域巡回診療などの地域医療支援や各地に出向いて病気予防などの健康管理の知識を持ってもらうための保健教育活動などを行い、カンボジアの保健衛生の向上を目指しています。」

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AHCまで通うことが困難な患者宅への定期的訪問看護活動の様子(c)Karl Grobl

まだまだ厳しいカンボジアの現状

AHCの運営経費、年間2億5000万円のほとんどは、日米などからの資金によってまかなわれています。最終的に、病院がカンボジア人により自立運営をされることを大きな目標とし、余裕のある方には初診で約30円、再診で約15円の寄付をお願いしているのですが、渡邊さんは「支払うことができるのは患者全体の半分程度というのが現状です。」と教えてくれました。長く続いた内戦が、未だに国民の生活に深刻な影響を与えている状況が垣間見えました。 

(特活)フレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダーJAPAN

外来での診察のようす(c)Shigemi Iyota

病院の主役はカンボジア人

FWABは国際的なNGOですが、AHCはあくまでも現地の人が主体となる運営を心掛けているのだと渡邊さんは言います。

「よく私たちはニューヨークを司令塔として、日本、カンボジアでの活動が行われているという風に誤解されがちなのですが、創設者の井津は『アメリカ、日本、カンボジアは一つのチームである』、と表現しています。日本・アメリカでそれぞれの土地にあった支援を呼び掛け、カンボジアではAHC自体が主体となって医療水準の向上を目指しています。現在、AHCでは353名のスタッフがいますが、そのうち外国人スタッフはたったの9名です。」

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外来待合室での子ども(c)Shigemi Iyota

<インタビューを終えて>

写真家の井津さんがカンボジアの子供たちのために必要な医療システム構築に着手する、その行動力と正義感に感銘を受けました。井津さんのその勇気によって、今カンボジアでは多くの子供が救われ、より良い社会へと発展しています。先ずは誰かがコミュニテイ再生に向けて一声あげる、途上国支援の原点を再認識させられました。(JANICユース 総務チーム吉野宮奈)

<インタビュアー>

国際協力NGOセンター有志グループ(JANICユース)

総務チームリーダー 山内智加

総務チーム 吉野宮奈

続きは後編をご覧ください。

※(特活)国際協力NGOセンター(JANIC) HPのNGOスタッフインタビューで紹介している記事を掲載しています。

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