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『地域も元気!世界も元気!』 団体活動インタビュー

(特活)国際ボランティアセンター山形 <前編>

<お話をうかがったスタッフの方>

(特活)国際ボランティアセンター山形

理事(国際理解教育)・事務局担当 阿部 眞理子さん(写真:2列目右から2番目)

[グローバルフェスタJAPAN2011にてIVYユースの学生の皆さんと]

阿部さんからのメッセージ

「いろいろな情報に接して、世界と自分との関係を見つめることをいつも忘れずに!」

国外と国内の国際問題 

国際ボランティアセンター山形(以下IVY)は、カンボジアでの内戦が終わる頃、タイにある難民キャンプへのスタディーツアーがきっかけとなり、1991年12月に設立されました。以来カンボジア、フィリピン、東ティモールで国際協力活動に取り組んできました。

一方、日本国内では、拠点となっている山形県において、国際結婚で来日した女性のサポート、多くの人に世界を視点に入れながら地域で活動してもらえるよう、国際理解教育や環境教育も行っています。また、2011年3月に発生した東日本大震災では、被災地に近い立地を活かした支援活動を行っています。

1つの家から隣村まで

設立のきっかけとなったカンボジアにおいては、当初から支援を行っていましたが、1999年からは、ベトナム国境近くに位置するスバイリエン州の農村の貧困削減のために取り組んできました。この地域は、カンボジアの中でも土壌が悪く米の収穫が少ないため、多くの家庭が借金に苦しみ、働き手である男性が都心部へ働きに出ていたそうです。さらに借米の金利はとても高く、余儀なく借米をしていた農民は借金をさらに増大させる悪循環に陥っていました。

そこで問題を解決するためにIVYが注目したのが“女性”でした。

「当時、現地では女性の社会的な地位が低く、男性のいる前では女性が発言できる文化ではありませんでした。さらに、女性が受け取る情報は自分の家庭内のことがほとんどで、隣の家との交流さえもありませんでした。現代の情報社会を考えるととても想像がつきませんよね。」と阿部さん。そんな状況下であった女性へのエンパワーメントが問題解決の糸口だと、IVYは農業の技術や知識の伝達、女性だけの組合の発足・組織作りなどを行っていきました。

(特活)国際ボランティアセンター山形

積極的に発言し、自分たちで組合の活動を決めていく女性組合員。

野菜の流通プロジェクト

活動を続けることで女性組合は大きくなり、隣村との交流に至るまでになりました。女性組合で借米を低金利で借りることが出来るようになり、借金、借米を軽減することもできました。こうして活動が進むにつれ、徐々に現地の男性も女性組合の活動に理解を示してくれるようになっていったそうです。

しかし、米の栽培だけでは貧困からの脱出は難しかったため、IVYは、現地で野菜の作付けが少なく、人々があまり野菜を食べていないことに着目し、女性組合員の野菜の作付けを増やし販売する事業を始めました。現在では野菜出荷組合をベースとした、地域における野菜の販路拡大を目指し、流通プロジェクトを実施中です。灌漑設備が日本のように整っていない現地では、収穫量を飛躍的に伸ばすことは難しいため、試行錯誤を繰り返しながら、様々な取り組みを行ってきたそうです。

(特活)国際ボランティアセンター山形

市場の販売ブースでお客さんと、交渉中の女性組合員。

(特活)国際ボランティアセンター山形

自分で収穫した野菜の代金をもらう女性組合員

全国トップクラスの外国人登録者に占める国際結婚率

山形県では、1980年〜90年にかけて、農村部の低い結婚率の解決のため、自治体推奨で国際結婚の受入を行いました。それを受けて多くの外国人女性(おもにフィリピン、中国、韓国)が来日し、外国人登録者に占める国際結婚率が全国でトップクラスになったそうです。

しかし、実際に結婚生活が始まると言語の壁をはじめ、多くの困難がありました。「言葉が通じなくて一番困るのは、病気にかかった時です。病気の症状を日本語で上手く伝えることができません。また、自動車免許も、日本語の試験のため取得が難しく(現在、山形県では英語での受験が可能)、何度も試験を受けたと言っていました。」と阿部さん。そうした言語の壁を少しでも解消するために、IVYでは『自転車で通える日本語教室』を目標に日本語教室の設立に取り組んでいきました。

(特活)国際ボランティアセンター山形

毎年2月に行われている日本語スピーチコンテスト。

病院での通訳支援

また、IVYでは医療通訳者の育成を行い、病院へ通訳者を派遣する事業を行っているそうです。多くの外国人女性は農村部に住んでいるため、簡単には事務所や教室へ行けるとは限りません。そのため、電話相談の受付も行っています。

さらに、国際結婚の家庭で生まれた子どもたちの中には、母親の母国語を話せない子どももいます。また、母親が日本語をうまく話せないことを恥ずかしいと思ってしまう子どももいます。IVYではそうした子どもたちに対して、母親の国の言葉を学び、その国に対する関心を抱くようになってほしいとの思いで、母国語を学ぶ場の提供(現在は中国語のみ)を行っています。

<インタビューを終えて>

山形県は国際結婚率が高いこと、そしてそこには多くの問題があることをインタビューで伺うまではよく知りませんでした。それと同時に、まだまだ知らない国際問題が日本国内にあることに驚きました。この国際結婚の問題というのは、山形県だけの問題ではなく全国の問題であるのだなと感じました。今後国際化で国際結婚率が高まっていく中、IVYの活動で多くの外国人女性の悩みが解決されることを願います。

インタビュアー

国際協力NGOセンター有志グループ(JANICユース)

代表 大沼智久

副代表 木村彩乃

続きは後編をご覧ください。

※(特活)国際協力NGOセンター(JANIC) HPのNGOスタッフインタビューで紹介している記事を掲載しています。 

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