市民国際プラザ

ホーム  >  『地域も元気!世界も元気!』 団体活動インタビュー  >  (特活)難民支援協会 <前編>

『地域も元気!世界も元気!』 団体活動インタビュー

(特活)難民支援協会 <前編>

<お話をうかがったスタッフの方>

難民支援協会

広報部 田中 志穂さん

田中さんからのメッセージ

「日本の中での難民支援は、私たちの社会に関わるとても身近なことです。是非皆様の関心とご協力を頂ければと思います。」

日本に来た難民が、自立した生活を安心して送れるための支援を包括的に行っているのが難民支援協会。今回は、広報部スタッフの田中さんにお話を伺いました。

有志で立ち上がる

難民支援協会が設立したのは1999年。次第に日本にも難民が来るようになった時代でしたが、日本国内にこういった人たちを支援する専門の団体がない、ということで有志が集まって立ち上がったのがきっかけです。以来、日本に逃れてきた難民に対する支援を続けてきました。

一人ひとりへの支援からコミュニティへ

難民支援協会では、これまで12年間活動を続ける中で、次第に活動の幅を広げていきました。立ち上げ当初から行っていたのは、一人ひとりの難民に対して、法的な手続きやその間の生活のサポートなどでした。

で、仕事や住まい、子どもの教育の機会など様々な課題に直面するようになります。

そんな中、活動を通してお互いが助け合う力、コミュニティの力があるのではないかということが分かってきまして、だんだんと個人に対する個別の支援だけではなく、グループやコミュニティの単位でアプローチしていくという活動を展開するようになりました。

こうして確立されていった難民支援協会の活動には大きく分けて法的支援、生活支援、定住支援の3つがあります。

難民支援協会

難民認定を受けたイラン出身の男性

法的支援に欠かせないアドボカシーと広報・啓発活動

立ち上げ当初から行われている法的支援。日本に逃れてきた難民の方に、難民の申請手続きがスムーズにできるよう情報提供をしながら、弁護士と連携してサポートをしています。

また、同時にそこで得た声を政策に繋げていくアドボカシー、さらにはそのアドボカシーを下支えしてもらうため、市民の理解を促進するための広報・啓発活動にも力を入れています。「日本における難民申請には色々な制度的課題があります。そのため、法的支援として難民申請手続きを支援することに加え、アドボカシーと広報・啓発活動を行うことは日本の難民支援に欠かせない活動だと認識しています。」と田中さんは教えてくれました。

難民支援協会

難民アシスタント養成講座で難民の話を聞く参加者

難民と社会の間に立つコーディネーター

法的な手続きに伴って必要となってくるもう一つの支援が生活支援です。

現在、難民申請をする間、かなりの時間待たなければいけないというのが現状で、平均2年くらいの待機期間で、その間の生活に非常に困窮している方が多くいます。そのため、難民支援協会では日々の生活の相談を受けています。

実際、日本には難民申請中の方でも使えるシェルターや医療の制度もありますが、難民の方はそれらの情報を得ることは難しく、社会、つまり病院や役所側の方々もその様な制度の存在を知らないことが多いです。そのため、社会にあるリソースを難民の方が使えるようにコーディネートする必要があります。

難民支援協会

生活の相談を受ける難民申請者の一家

社会とのつながりから生まれたもの

3つ目の活動が、難民申請手続きを経た後や、または手続きが進まないまま日本に長く住んでいる難民の方が抱える定住していく際の様々な問題についてサポートしていく「定住支援」。この活動の一つである、クルド難民女性への自立・エンパワメント事業について伺いました。

「女性が主に家で家事や育児を担うという生活習慣を背景に持つクルド女性たちの多くは、日本での生活の中で、社会との接点が少なく、孤立しがちでした。」そこで、クルド民族の伝統的なレース編み「オヤ」を通じて、社会との接点を増やし、女性たち同士が繋がり、互いに支えあえるように促す事業を始めたそうです。

「この事業を通じて、今まで社会との接点が少なかったクルド難民の女性たちが、自分も社会とつながっているという感覚や、自分も日本語を話してコミュニケーションをとりたいという社会との接点を自分から求める気持ちが生まれてくるなど、非常にポジティブな効果が出てきています。」と田中さん。

コミュニティのもつ力とその効果がまさに現れてきているのだと感じました。

難民支援協会

オヤカフェ

第三国定住と地域との連携

難民支援協会の自治体や地域との連携について伺いました。

「地域の国際交流の団体などに呼ばれて講演をする機会も多いですね。」

さらに田中さんは、今後の連携の可能性についてもお話下さいました。

「近年日本で始まったばかりの第三国定住という制度がありますが、もし今後この制度が拡大していくのであれば、受け入れた難民の方の定住先として手を挙げてくださる自治体やコミュニティ、市民団体の方々とより深い連携をして、難民の受け入れを促進していく、という活動も必要とされるかなと思います。」

<インタビューを終えて>

今まで日本における難民への支援についてはなんとなく理解していたつもりでしたが、実際に事務所に伺ってお話を聞いてみて、ひっきりなしにかかってくる英語の電話や、続々と訪れる難民の方を見て、その実情や活動の成果と意義が五感を通して伝わってきて、これも大切な問題なんだと実感しました。 

インタビュー中、田中さんが「事務所に来て、活動に参加してみると、身近な問題としてとらえることが出来るようになる人が多くいらっしゃる」と言っていたのですが、その意味が分かった気がしました。

(JANICユース 権)

[インタビュアー]

国際協力NGOセンター有志グループ(JANICユース)

総務チーム 吉野 宮奈

広報チーム 権 智娜  

続きは、後編をご覧ください。

※(特活)国際協力NGOセンター(JANIC) HPのNGOスタッフインタビューで紹介している記事を掲載しています。 

〒102-0083 東京都千代田区麹町1-7 相互半蔵門ビル1階 市民国際プラザ TEL:03-5213-1734

Since© 2007 Citizens' International Plaza & Council of Local Authorities for International Relations All rights reserved.